ブログ『りんどう』

通り掛かりのテラマイラー忠田反高の いきいきサロン・施設訪問・篳篥漫談 のトークネタを書き留めています。

イワシの練り物の薫製

イワシの練り物の薫製 

 

恩師逝く② イワシの練り物の薫製 

 

 先日、恩師が亡くなられたと聞きました。小学校一年生の時の担任の女の先生でした。一年担任され、次の年は他校へ異動されて行かれました。享年87才だったと云うことでした。お悔やみになるか分かりませんが、そのT先生との記憶を、きのうに続き、辿ってみます。

 

 先生の他校への異動を聞きました直後、誰に誘われたか、誰を誘ったか、誰と行ったか記憶にありませんが、先生のご自宅を、男女5~6人で訪ねた記憶があります。

 

 ご自宅は、干拓地に迫った山の麓にありました。電話もそんなに無い時代、誰がご自宅を知っていたのか分かりませんが、ご自宅を訪ねました。

 

 小学校一年を終えたばかりの子供たちが、連れ立って、知らない土地の先生のご自宅を捜し歩く姿、何か、「二十四の瞳」を連想してしまいます。

 

 本当に連絡をどう取ったか記憶にありませんが、先生は昼の弁当を準備して下さっていました。

 

 ご自宅の裏山に案内され、干拓平野を一望に眺めながら、先生の手作りの弁当を食べました。

 

 そのお弁当の中に、見慣れない濃い茶色の蒲鉾みたいなものが入っていました。「これって何だろう?」 独特の味で、初めて口にするものでした。

 

 これが何だか分かるまで随分時間が掛ったように思います。

 

 それは「イワシの練り物の薫製」でした。忘れられない味となりました。これを口にする度、先生とのことを思い出してしまいます。