記憶
恩師逝く⑧記憶
先月、恩師が亡くなられました。小学校一年生の時の担任の女の先生でした。一年担任され、次の年は他校へ異動されて行かれました。享年87才だったと云うことです。お悔やみになるか分かりませんが、そのT先生との記憶を辿っています。
10km先の517mの高さの山へ初日の出を5~6人で見に行き、帰りに、先生のお宅に立ち寄って、おせちを頂く、と云うのが毎年の恒例となって行きました。
何年ぐらい続いたでしょうか?その恒例が最後になった年の事です。わたくし、日の出までの飲酒量が多くなってしまい、記憶をなくしてしまいました。
気が付いたら、わたくしは、我が家の布団の上でした。おまけに後頭部を治療したらしいことに気づきました。
日の出の状況が記憶にありませんでした。どうやって下山したか記憶がありませんでした。先生のお宅に寄ったかどうか記憶がありませんでした。どうやって帰宅したか記憶がありませんでした。
みんなから聞いた話では、初日の出拝観を終え、下山途中、滑落し、頭を打ち外傷を負ったと。先生のお宅で治療を受け、おせちは皆で頂いたと。
後日、わたくしが留守の時、血が付いたわたくしの帽子が届きました。先生の御主人が届けられたようでした。
そして、その翌年から、初日の出拝観に山に登らなくなりました。先生に申し訳なく、登れなくなりました。